ブルーグレーの瞳に独特の雰囲気を持っている庭師、彼の名はフローリアン岡本・25歳。
師匠の忘れ形見である双子と共に、なごやかに暮らしている。
仕事で久我家の庭を手入れすることになったが、そこで見たのは伸びに伸びまくった雑草と病んだ樹木たち。
さらに、それに負けないくらい荒れ果てた少女の心。
久我家の娘・雅は徹底した菜食主義で、さらに虚言癖を持ち、数少ない友人にも心を閉ざしていたのだ。
庭師は自分が思った言葉をストレートにぶつけ、雅の心にも変化が芽生えるのだが……。
またある時は、フローリアンが向かった先は森に囲まれた西洋館。
そこに樹による「ラビリンス(迷路)」を作ってほしいと懇願したのは、15歳の少年・黎明(れいめい)だった。
久我家のケースと同じく、黎明もまた心に傷を負っていて他人を寄せ付けない。
緑色の迷宮に託された想いとは?
不思議な庭師が創り出す、安らぎに満ちた3つの連作ストーリーをお届けいたします。
各巻を選択するとcomipoアプリが開きます。