遥かなる日々

友情と選択の物語……
19世紀末のフランス・トゥールーズ。人の血を飲まないと決めた吸血鬼・ジローが紡ぐ、時を超えた友情と選択のストーリー。
1898年、貧乏貴族の青年トマは弁護士を目指して奮闘しながらも、階級社会に苦しみ、孤独と戦っていた。
唯一の楽しみは舞台作家の友人オレリアンと観劇し、安酒場で人生を語ること。
そんな彼の前に現れたのは、日本からの留学生ジローだった。

社交的で謎めいたジローに最初は嫉妬を抱くトマ。
しかし、彼がただの学生ではなく、大切な人を探すためにフランスへ来たことを知り、共感と友情を深めていく。
トマはジローの人探しを助けながら、弁護士としての道を通し人生の選択そのものを問い直していく。
地位と名誉を求めるか、自分の信念を貫くか。
だが、ジローの探し人が見つかったとき、トマは彼の隠された正体――吸血鬼であることを知る。
真実に揺れる中、それでも二人の友情は揺らがない。
そして2000年代、ジローは再びトゥールーズを訪れ、トマが遺した一冊の手記を手に取る。
それは、二人の友情と選択の記録――そのタイトルは「ジロー」。
歴史と人間ドラマが交錯するヒューマンストーリー。
48ページ

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