徳川幕府の権勢に影が差し、江戸という町と時代が音をたてて崩れ去ろうとしていた頃のこと。
ひとりの女性が、意に染まぬ結婚を強いられようとしていた。
彼女の名は和宮内親王(かずのみやないしんのう)。天皇家の皇女として生まれ育った人物である。
弱体化が著しい幕府は、皇族と将軍を結婚させることにより、朝廷の伝統的な権威を吸収しようとしたのだ。
和宮の母親、観行院は事の成り行きに難色を示すが、時勢にはさからえない。
諸外国を排斥したい朝廷にとって、幕府との関係強化は避けて通れぬ道でもあった。
こうして、文久2年(1862年)、日本史上初となる「皇女降嫁」が実現することとなる。
歴史の渦中に放りこまれた彼女は、江戸城内で何を見て、何を感じたのか?
夫となった将軍・徳川家茂(とくがわいえもち)との交流を軸にして、和宮が生きた激動の時代を描く歴史ロマン!
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