一宿一飯の恩があるので怨みもつらみもねぇおまえさんとは敵対するが、信州沓掛の時次郎という下らねぇ者でござんす。親子連れに見える3人が、ある旅籠にやってきた。自分達は夫婦ではないという男に主人が真相を問うと、男は一言「そいつはお聞きなさらねぇでくだせえ」と言う。その男の名は、沓掛時次郎。人には言えぬ悲しい因果を背負い、女と子供を連れて旅をする、かつては博徒だった男――。義理とはなにか。人情とはなにか。これは、日本人が忘れてはならない、美しき愛の物語である。【巻末特別付録】菅原文太×小林まこと スペシャル対談収録!!
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