ハツコイの彼方
水渡ひとみ
初恋は、叶わなかった。好きだった人は父の恋人だったから――。 かつての恋をなかなかふっきれず、似たような年上とばかり付き合ってきた遊大。 しかしあるとき、大学の友人・真里がふいに見せた表情が気になった。 「どうせ叶わないから」 いつも能天気な真里の、恋を諦めたような表情を見たとき、ドキリとした。 俺の知らなかった真里の一面に、胸がざわつく。 ――俺、コイツのこと好きかもしれない。
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