きらい! きらいきらい! なにもかもきらい! なにもかも雨と一緒に消えてしまえばよい!
そう思いながら雨の中を歩く1人の少女・美沙都。
お父さんとお母さんの仲が良くないから、帰ったって独りぼっちだと思っていた矢先、
信号のところで、うずくまっている少年を発見する。
思わず声をかけた美沙都であったが、少年は捨て猫を見ていたのだった。
とりあえず家につれて帰る美沙都。少年の名前はたけるといった。
少年の将来の夢は獣医だという。
そして他の人の夢なら叶えてあげられるんだけど、
僕の夢だけはどうしようもないんだと、寂しそうに語るたける。
その理由とは?
《P》シリーズでおなじみ、北原文野先生がお贈りする、ふんわり不思議で、心温まる短編集。
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