2歳のときに両親が離婚。
それぞれに引き取られ、姉と弟、10歳離れた姉弟はそれから16年間会うことはなかった…。
父の病院を継ぐために、医大の受験で東京へ上京した椿は、
挨拶がてら、母親側の経営する下宿「あおば荘」に顔を出しにきたのだった。
そこで、遭遇したのは、明るく元気な姉のさくらであった。
16年の歳月を感じさせないあまりの明るさに戸惑う椿であったが、
それも通り越して、椿を包んでくれるさくらの優しさが、椿には初めて経験だった。
さくらの強引な押しにより、受験が終るまで「あおば荘」で下宿することになった。
《家庭》というものに縁がなかった椿は、人とのふれあい、
交流、優しさが自分にはつらく逃げ出してしまう。
そして途方にくれていたとき、目の前に立っていたのは姉のさくらであった。
ひとつ屋根の下での奇妙な生活を通して交錯するヒューマンホームドラマ。
生田先生の渾身の1作品!
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