『藪の中』は1922(大正11)年に発表された芥川龍之介の短編小説です。
藪の中で起きた殺人事件について、関係者の7人が尋問を受けました。
第一発見者の木こり、被害者の男を目にした旅法師、容疑者の多襄丸を捕まえた男、被害者の妻・真砂の母親、そして多襄丸、真砂、被害者の男の死霊までもが事件について語りましたが、どの証言も微妙に食い違います。
しかも、7人のうち3人が男の殺害を自供しました。一体誰が、どういう理由で男を殺めたのか……証言を聞けば聞くほど真相が分からなくなっていくのです。
『藪の中』は黒澤 明監督が「羅生門」のタイトルで映画化したほか、天海祐希と豊川悦司が主演を務めた「MISTY」、小栗 旬演じる多襄丸が主人公の「TAJOMARU」など、数々の映画作品になっています。
改めて芥川龍之介の名作を読み返し、人間の弱さやエゴイズムについて考えてみてはいかがでしょうか。
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