月光花火
狩尾菫
まだ幼い娘が骨董品の陶器を割って大怪我をした時、夫が真っ先に心配したのは割れた陶器のことだった。それ以来、夫を当てにせず仕事をしながら、家のことを全てこなしてきた私。それなのに、小学5年生になった娘はいつも夫の味方だ。この家に私の居場所はない。そう思った時、私は離婚を決意した。これで自由だ…となるはずが、なぜか満たされず寂しさを抱える日々。失って初めて、本当に大切なものが何かに気づいた夫婦が選んだ道とは…。
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